東西は烏丸から油小路、南北は姉小路から四条通りで、昔の繁華街は現在よりも少し西寄りだったことがわかります。中心部の室町・新町通り集まり、機屋町の西陣に対して問屋街の室町と言われ、現在も平日は繊維業者の車が行き交うには呉服商が忙しい通りです。鉾町は室町時代に東西・南北の街路に面した町同志が一つの町(両側町)になって形成されたもので、応仁の乱後一度途絶えた祇園祭が復興したのはこの 両側町の団結によります。現在も祇園祭の山鉾は各町で維持保存され、町が祭を支えています。鉾町には風格と洗練された美しさを備えた見応えのある町家が多く、手入れをしながら昔のままの状態で、今もなお生活が営まれているのです。また景観を壊さないために町家風に設計されたオフィスビルも登場しているので、新旧見比べて歩くとおもしろい発見があるかもしれません。

 

中京区新町通六角下ル六角町363 tel:221-1317
約1週間前迄にTEL予約要

 新町通りに面して建つ商家で、落ち着きある表構えに呉服問屋として栄えた歴史がうかがえます。間口が5間(約10m)、奥行き20間の、店舗棟、住居棟、商品用と道具用の二つの蔵そして各棟を結ぶ大小の庭と通り庭(土間)からなる表屋造りの屋敷です。各部屋の襖が開け放たれると、表の店側から奥の蔵が見通せて、白壁からはねかえった光線が座敷を照らし出しました。冷暖房装置でなく、畳を網代(あじろ)に、襖を葭戸(よしど)にと座敷の様替えをして自然に対応する、視覚や触覚で涼しさや暖かさを演出する、京商人のセンスと華美でない贅沢をうかがい知ることができます。

 

 京都市指定有形文化財
下京区綾小路通新町西入ル矢田町116 tel:344-5724
事前にTEL予約すれば店舗部分だけ見学可

寛保三年(1743)年、「奈良屋」の屋号で創業した呉服商の屋敷で、間口30m、奥行き30mと市内最大規模の町家です。
  店舗棟、住居棟、米蔵と大蔵・隅蔵・中蔵という典型的な表屋造りですが、独立棟として西に張り出した仏間や大きな台所など、縦長ではなく正方形の敷地を利用した特色ある建築がなされています。残念ながら家の中は見学できませんが、祇園祭には店舗棟が「伯牙山」のお飾り所となり公開されます。

 

下京区油小路通仏光寺下ル太子山町 tel:351-2565
約1週間前迄にTEL予約要

 そこだけ時代が止まったかのような表構えの秦家は、江戸から明治時代に薬商として栄えた家です。店舗棟・玄関棟・住居棟からなる表屋造りは下京の他の商家と同じですが、「奇應丸」の看板、文明開化を偲ばせるガス燈、曲線で額縁付のむしこ窓がひときわ目を引きます。祇園祭には「太子山」のお飾り所となります。

 

 (わざひゃくしゅう)
中京区蛸薬師通烏丸西入ル橋弁慶町231 tel:075-211-6710 10:00〜18:00 水曜休

祇園祭の橋弁慶山のお飾り所となっている町家を、改装してクラフトショップにしたもので、着物の端切れを利用した巾着、匂い袋、染めののれんやタペストリー、和紙の照明器具など京都の伝統技術による工芸品がそろいます。祇園祭の期間中は元来の町家状態に戻り、五条大橋で戦う弁慶と牛若丸が飾られます。

 

(ももちたるかん)
中京区新町通錦小路百足屋町380 tel:075-256-6360 水曜休

 解体された古い家屋の梁や柱を使って再現された京町家で、ちりめん小物や人形、京染めのれんなどの京都の手工芸品が展示販売されているほか喫茶室もあり、町家巡りの一休みには最適です。